保育園を開業するには(認可保育園の新設の流れ)

保育園を開業する方法は、市区町村から運営費を受ける認可保育園として開設するか、認可外保育施設として届け出て運営するかで大きく変わります。このページでは、民間の事業者が認可保育園(保育所)を新しく開設するまでの流れと、資格や法人の条件を、国の法令と川崎市の募集を例に整理します。

認可保育園の開業は、自治体の計画と募集から

川崎市のように、整備が必要な地域と定員を決めて、認可保育園を設置・運営する法人を募集する自治体があります。まずは、開設したい自治体の整備計画と募集案内を確かめます。

認可保育園は、都道府県知事の認可を受けて設置します(児童福祉法第35条)。川崎市・横浜市のような政令指定都市では、基準を定める条例も認可も市が担います。基準に合っていても、その地域の定員がすでに計画で必要な数に達している場合などは、認可されないことがあります。審査で見られる項目は、認可保育園と認可外保育施設の違いで整理しています。

認可保育園を新設するまでの流れ

  1. 開設したい自治体の整備計画・募集案内を確かめる(地域・定員・開所時期・応募できる法人の条件)。
  2. 物件を探し、基準に合う部屋の配置と面積を、設計者と確かめる。
  3. 募集に応募し、自治体の審査・選定を受ける。
  4. 整備費の補助を使う場合は、補助の要綱で決められた順番に沿って、工事の契約に進む(川崎市の募集では、補助金の交付申請と交付決定のあとに契約)。
  5. 内装・設備の工事を行い、必要な検査を受ける。
  6. 認可の申請をして、認可を受ける。あわせて、市区町村の確認(運営費を受ける施設として認めてもらう手続き)を受ける。
  7. 開所する。
既存の建物の1つの階を、保育室・ベビーベッドの部屋・マットを敷いた部屋・調理室・子ども用の便所・事務室・玄関などに改修した姿のイメージ図
既存の建物の1つの階を、保育を始める前に全面改修した姿のイメージ図です。部屋の並びは一例で、医務室など必要な部屋をすべて描いたものではありません。必要な部屋と広さは、預かる年齢と自治体の条例で決まります。

期間の例として、川崎市が2026年9月に公開した2028年(令和10年)4月開所の保育所の募集では、事前相談の締切を2026年10月30日、応募書類の締切を同年11月13日とし、選定委員会の審査を経て、2027年1月上旬ごろまでに結果を通知するとしています。開所の1年4か月ほど前に応募を締め切る例です。順番や期限は、自治体と募集ごとに違います。

工事費は、物件の状態と工事の範囲で変わります。見積もりで確かめる項目は、内装工事費の見積もりで確認する項目にまとめています。

工事の契約の時期は、補助の要綱で確かめる

新設などの整備費の補助は、国から市区町村への交付金(就学前教育・保育施設整備交付金)を使って、市区町村が行います。このほかに、改修費を補助する国の事業(保育所等改修費等支援事業)もあります。賃貸物件を使って保育所を設置する場合や、認可外保育施設が認可の基準を満たすために改修する場合などが対象です。補助の割合や上限額は、補助の種類と自治体ごとに違うため、募集要項と補助の要綱で確かめます。

川崎市の募集では、補助金の交付申請、交付決定、施設整備の契約の順に進めることが示されています。補助を使う工事は原則として競争入札で発注すること、定期借家契約の物件は整備費の補助の対象外であることも、条件として書かれています。補助を使う計画では、工事会社を決める時期と方法を、募集要項で先に確かめてください。

株式会社などが設置する保育所も、整備交付金の対象になることがあります。国の資料では、整備交付金の対象は社会福祉法人や学校法人などが基本で、市区町村が国の実施計画の採択を受けている場合は、市区町村が認めた者も対象にできるとされています。開設したい自治体で対象になるかを、先に確かめます。

保育園の経営に資格は必要か

国の基準では、保育所の施設長に特定の資格は求められていません。ただし、運営費の面では施設長に経験などの要件があり、保育を行う職員には保育士の配置が必要です。

運営費に関する国の通知では、施設長を、児童福祉事業等に2年以上従事した人またはこれと同等以上の能力があると認められる人で、常時その施設の運営管理に専従し、委託費(運営費)から給与が支払われる人としています。満たさない場合は、運営費の算定に影響します。

保育士の数は、乳児(1歳未満)おおむね3人に1人以上、1〜2歳児おおむね6人に1人以上、3歳児おおむね15人に1人以上、4歳以上児おおむね25人に1人以上で、1つの保育所に2人以上を置きます。3歳児と4歳以上児の数は2024年度に改められました。保育士の配置の状況から、保育の提供に支障が出るおそれがあるときは、3歳児は2028年3月31日まで、4歳以上児は当分の間、改正前の数(3歳児おおむね20人に1人、4歳以上児おおむね30人に1人)でもよいとする経過措置があります。このほか、嘱託医と調理員を置きます(調理をすべて委託する場合、調理員は不要です)。

個人でも保育園を開業できるか

新しく開設する場合、個人のままでは、運営費を受ける認可保育園として運営することはできません。運営費を受けるために必要な市区町村の確認(子ども・子育て支援法第31条)は、法人でなければ申請できないためです。個人で始める場合は、法人を設立するかどうかから検討することになります。

認可外保育施設は、事業を始めた日から1か月以内に届け出る仕組みです。認可保育園との違いは、認可保育園と認可外保育施設の違いで整理しています。

小規模保育園の開業との違い

小規模保育事業は、主に満3歳未満の子どもを、定員6人以上19人以下で預かる事業です(地域の事情により3歳以上の子どもも預かる場合や、3歳以上だけを預かる場合もあります)。定員20人以上の保育所と違い、認可するのは市区町村長で、設備や運営の基準も市区町村の条例で決まります。開業を考える場合は、市区町村の募集と基準を確かめます。

物件と設計で、先に確かめること

  • 乳児室・ほふく室・保育室などの面積が、自治体の条例の基準を満たすか(面積の基準は、ほふく室と乳児室の違いで整理しています)。
  • 保育室を2階以上に置く場合、建物の耐火の構造や避難用の階段など、基準の要件に合うか。
  • 預かる年齢に応じて必要な部屋(調理室・便所・医務室など)が取れるか。
  • 物件の契約の形(定期借家かどうか)が、使いたい補助の条件に合うか。

具体的な配置や工事の範囲は、図面と建物の条件を確認して決めます。そろえる資料は、相談前にそろえる図面と条件にまとめています。

新設・全面工事のご相談

当サイトの受付対象は、認可保育園の新規開設に伴う、保育開始前の施設・区画全体の一括工事です。既存建物や借りた区画、新築建物での新設、移転先での認可化を含む計画について、現在の状況をお知らせください。保育を続けながらの工事、休日ごとの分割工事、部分修繕・設備交換のみの工事は対象外です。

対応地域:川崎市幸区・中原区・川崎区、横浜市鶴見区・港北区、東京都大田区。予定地を確認のうえ、対応の可否をご案内します。

ご相談の費用と範囲

工事の見積もりは、無料でお出しします。コンサル(開設に向けた計画づくりでの、自治体との協議や設計の段取り)は、当社では行っておりません。当社へのご相談も無料ですが、お手伝いできる範囲には限りがあります。計画の段階ごとに、次のように進めます。

  1. 自治体へのご相談は、事業者様に進めていただきます
    計画づくりのコンサルをご希望の場合は、コンサル会社へのご依頼となり、その費用がかかります。
  2. コンサル会社・設計会社が決まっていなければ、ご紹介します
    自治体へのご相談のあと、計画を先へ進める見込みが立った段階で、当社がご相談をお受けし、付き合いのあるコンサル会社・設計会社をご紹介します。ご紹介にあたって、中間マージン(ご紹介したことによる当社の取り分)などをいただくことはありません。ご紹介は、工事を当社にご依頼いただければという思いで、サービスとして行うものです。
  3. 設計がまとまり、自治体との協議が済んだら、見積もりをお出しします
    当社が見積もりをお出しするのは、基本的には、コンサル会社・設計会社と進めてこられた設計で、自治体との協議も済んでいる段階からです。

確認に使う行政の公式資料

運営・編集:株式会社スマイルプラス。法令と公式資料は2026年10月25日に確認。制度や募集の条件は変わるため、計画時点の公式案内をご確認ください。